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[読了]ビッグイシュー日本版192号「”タネ”から考える食べ物の未来」

Last Updated: 2012/06/14(Thu) 00:19:31

最近買うことが多い京阪楠葉駅で今発売中のビッグイシューの最新号を買ったら、今度西梅田の店舗にも参加するとのことで手作りのお知らせが一緒に入ってました。また勝手が違うことで大変だろうと思いますが、よい成果が得られるように応援しています。

さて、のぽーっとしたひつじのショーンの表紙のかわいらしさとは裏腹に今月は食べ物にまつわる怖い話が掲載。
遺伝子組み換え技術に限らず、今の農業というものがいかに生産者以外のものに制約を受けているかということがよくわかる特集だったのではないかと思います。

農家の人って毎年、タネ買ってるってみなさん知ってました?
しかもそれってタネ取るのが面倒臭いからっていうんじゃなくて(もちろん、それもひとつの原因ではあるだろうけど)、タネを取れないような仕組みになってしまってるということなんです。

たとえば「病気になりくくて実が大きい」のがよい作物だとしたら、そういう性質をもった親同志をかけあわせてできたタネをまくわけですが、そういう親のいいところっていうのが強く受け継がれるのは子どもまでで、孫の代になると親の違った性質(悪いところを含む)もどんどん出てきて混ざっちゃうらしい。なので、毎年毎年いいところだけを受け継いだタネを買う必要があるという仕組み。
さらに、自分でタネを集めたりできないように、タネが出ないような性質をもたせておいたりもするらしい。これは知らなかったです。遺伝子組み換え技術はこういうところにも使われていて、たとえば自殺する遺伝子を組み込んでおいたりとかするそう。私は、たとえば「病虫害に強い性質」を遺伝子組み換えで組み込む、ような技術の使い方しか想像していなかったので、これは結構ショックでした。

何がショックだったって、それって純粋に企業の利益のためにやってることじゃん?ってところです。
たとえば「安定的に収穫したいから病虫害に強い品種にしたい」とかだったら理解できる。
「見た目がきれいな野菜がいい」とかも100歩譲ってわからなくもない。(私も虫は嫌いやし…)
でも、「またうちのタネ買って欲しいから、自分らでタネ取れないようにします」で、そのためなら手段を選ばないっていうのはどうしても共感できない。そのためにそういう技術を使うっていうことの必然性っていうのが私にはわからない。

また怖いのは、そういったタネを扱う巨大多国籍企業の力というやつで、世界市場でのシェア・影響力を考えると私たちの生活に影響がないはずはなく、というかタネだけの自給率でいうと10%くらいとのことなので、むしろそのへんのスーパーなんかで売ってる商品の大部分はもう遺伝子組み換え食品でないはずがない。それで、そういう私たちの生活を支えている食べ物は、さっきの企業なんかに牛耳られているのと同じ、つまりもう私たちの生殺与奪の権はやつらに握られているも同然じゃないかと。こんな状況でさらにTPPとかほんとにもう恐ろしすぎます。

そんなわけで非常におそろしいタネ特集だったわけですが、恐ろしいだけでなく、生き物の不思議さにも魅せられる記事が載っておりました。
あと、私としては福島原発の作業員の方のインタビューが印象に残っていて、こうして顔も名前も出して雑誌というメディアにその声を残そうとしてくれる方がいらっしゃるということに感謝したいです。インタビュー受けてくださる方を探すのもきっと大変だったのではないでしょうか。

産後、本を読む時間が激減し、ましてやその感想を残しておくなんて至難のわざではあるのですが、貴重な時間を割いて読んだものをきちんと自分の中にとどめておきたいということもあり、なるべくレビューを残しておきたいなと。
今回読んだ192号ですが、次号の発売日が15日と迫っているのでお読みになりたい方はぜひお早めに。私も販売員さんがいらっしゃるところを通ることがめっきり減ってしまったのですが、これからもできるかぎり毎号読み続けたいなと思っています。

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